ラグビーの日本代表が南アフリカを破ったことで
日本中が沸いた。
新日鉄釜石のV9や神戸製鋼の活躍。
伏見工業高校のラブリーストーリー。
日本でもラグビーは一定の人気があったが、
残念なことに、世界に行くと全く歯が立たない。
そういう意味で私自身はさほどラグビーには興味がなかった。
世界に通用しないスポーツを面白いとは思わないのである。
それがワールドカップ優勝チームを破ったとなれば
これは大問題である。
人間の上達論の問題であり、教育の問題であるから、
興味津々であり、
にわかラグビーファンにならざるを得なかった。
見ていてとても重要だと思ったのは
生身の体と体がケンカ腰でぶつかりながら、
それが当たり前で何事もなかったかのように動いていくことであろう。
今はネットで、隠れてうっぷんを晴らし
掲示板で匿名で悪口を放散する。
「生身」のない歪みであり、バーチャルの情けなさでもある。
ラグビーの試合を見続けながら感じたのは
それとはまったく対極の
リアルなぶつかり合いの健全さである。
それだけにレフリーは厳格であり
選手たちのルール遵守の精神が成熟している。
ネット社会になり、何かすべてがバーチャルになっている現在
もう一度「生(なま)」の、リアルな実質の大切さを
かみしめるべきではないか。
いじめの問題、カッとなって起こすやるせない犯罪の日常化。
こうした愚かさは
少なからずこのrealとvirtualのずれに起因していると
私は思っている。
子どもたちをゲーム機から解放して
生身のじゃれ合いに戻すべきであろう。
ラグビーを見ながら生身の大切さ
realの健全さを
図らずも再認識したことである。