まもなく11月。
わがGHS予備校生も顔つきがますます真剣になってきている。
受験生は
残り少なくなった日数が気になり
自分の実力の足らざる所が目について仕方がない。
引き続く模擬試験がさらに心に負荷をかけてくる。
一番苦しい時であろう。
受験勉強というのは様々な試練を与えてくれるし、
何よりも否応なしに必死に勉強せざるを得ないという点で
若者が知性と精神との両面で自らを鍛えることができる
良い機会である。
しかし一方で受験勉強にはまずい点もあり、それを分かったうえで進めていく必要がある。
ひとつは、減点思考になることである。
80点取っても、100点に20点足りなかったことを見つめる思考パターンである。
80点取れるまでに積み上げた自分の努力と実力を評価せず、
20点取れない自分に何が不足しているのかを考える。
これを客観的に行うならよいのだが、
通常は感情的に、つまり悲観的におこない、
真面目な受験生ほど自分を責める。
受験勉強は試験があり、満点があるから、
「満点にいくら足りない」という発想が習い性となるのである。
大切なのはバランスである。
あくまでこれまで積み上げてきた事実
間違いなく実践してきた紛れもない事実をしっかり見つめつつ
足らざるを見るというバランスが絶対に必要である。
良い点だけを見つめて満足すれば進歩がなく、
不足のみを見つめれば神経症になろう。
この時期は特に、感情に流されることなく、客観的に、
積み上げてきたものをしっかり見据えつつ、次に何をそれに重ねていくか
を考えるべきである。
それが受験生の精神衛生管理というものである。