入試の真っ最中である。
現在は私大医学部の一次試験の結果がほぼ出そろおうとしている段階である。
年々難化している私大医学部入試であるが、
今年のGHS生も、国立上位組があまり私大を併願しなかったにもかかわらず
昨年の成果に迫る勢いである。
GHSは現在の学力に危機を感じ
大きく飛躍したい、本当に分かる受験勉強をしたいという受験生が集まる学び舎である。
現在の日本の大学入試が
医学部に受験生が殺到して大難関になっている現実を反映し
結果として
今GHSは医学部受験生が大半を占めているのであるが、
決して医学部専門予備校ではない。
少数ながら他学部志望者もいるのである。
その関係で、今日は慶應大学の文学部の英語と小論文の指導をしたことである。
改めて
「慶應(文)の英語はいいね」
「ほんとですね」
とその生徒と一緒に、問題に取り組む満足感に浸ったことであった。
120分で長文一問のみ。
内容は、人間が大人になるとはいかなることか。
ゲーテも出てくれば、フーコーも登場する。
辞書を持ち込んでよい。
つまり、語彙数の多少を問題にする狭量はない。
英文にじっくり取り組み、深く考察し、広い視野と柔軟な視点で読解して答える。
出題者が受験生に求めるメッセージが明快であり、正当である。
ただ長いだけで、まるでテレビの早押しクイズのような昨今の多くの入試問題とはわけが違う。
慶応義塾大学のプライドを感じる入試問題である。
入試問題は大学が発するメッセージである。
生徒曰く、
「こういう入試問題をやっているとますますこの大学で学びたいという気持ちになります」
「それに引き換え、W大学は行きたくなくなります」
「T大学はもっと行きたくなります!」
それぞれの立場の人間が
それぞれに誇りをもって事に当たるならば、
次世代がこんなにも目を輝かせる。
そして、それだけでも
いま日本が抱える問題の多くが解決するに違いない。
制度や法の整備の前に
人間の質なのである。