先日ある大臣がある集まりで、
「学校で因数分解や微分積分を学ばせる必要があるのか。大人になってから使ったためしがない。」
と発言し、賛同の声が上がった旨の新聞報道があった。
2,3年前に文科省が大学に対して
哲学科など直接役に立たない文系学部は縮小するように、との通達を出し、論議を呼んだことがあったが、
共通した考えで、この発想は根深いようである。
たとえば因数分解という思考は何も数学の世界だけにあるものではなく、
普段私たちは文章読解でも用いている。
「昨日書店で数学と英語の参考書を購入した。」は因数分解が多用されている。
もしそうしないと
「昨日書店で数学の参考書を購入し、また昨日書店で英語の参考書を購入した。」になろう。
因数分解とは何かと言えば、重複を避けて簡潔に表現する形式であるから、
何も数式表現に限るものではなく、様々な分野に用いられている。
学習というのは、様々な科目、様々な分野に渡るわけであるが、
それは、それぞれのバライエティ(多様性・特殊性)とともに、通底する共通した論理(法則性)を学ぶことに意義がある。
そこに視野の広さと理解の深さを育てることができる。
認識の立体性がなく、浅い思考しかできないと、
教えられる内容のそれぞれをバラバラに受け取ることしかできず、いわゆる応用が利かない。
結果として「直接役立つものだけ学べばよい」という浅はかな発想が生まれるのである。
こうした思考レベルの方々が大臣や官僚として国家を運営していることの怖さと不幸を
もっと深刻に受け止める必要があるのではないか。
日本はひたすら浅はかさへ向かって邁進しているように思える。
これを止めるのは教育しかない。
そこにGHSの意義があると言えば、大見得を切っているように思われるかもしれないが、
このホームページを読み込んでもらえれば、分かっていただけるのではないか。
今後このブログでも少しずつ紹介していきたいと思っている。