医療現場の混乱が気になる。

GHSは若い優秀な人材を

医学の世界に毎年送り出しているので

なおさらである。

先日ある経済誌で特集を組んでいたので

ゆっくり読んでみたのであるが、

実に腹立たしい思いであった。

責任を特定の人間だけに負わせるのは

間違いであろうが、

しかし、つくづく政治が悪いと感じる。

官僚のレベルが低い。

たとえば、ニュースにもなったが、

厚生労働省が突然課長名で通達を出し、

産科において看護師が分娩の補助をできなくなった。

現場はお産ができなくなり大混乱である。

現場の混乱を知った厚生労働省が

今度はあわてて局長名で実質撤回の上書き通達を出したという。

何というお粗末さであろう。

役人が現場を何も知らずに

机の上だけで仕事をしているのだ。

今多くの医者が医療現場を去ったり、

自分の力を発揮できずに

不本意な場に身をおいたりしている現実がある。

たまたまこの経済誌の中に私の高校の同級生が出ていた。

学年で一番頭の良かった男であるが

こうした機能していない社会システムの中で

埋もれてしまっているのだ。

多くの優秀な人材が

その能力を社会に還元できずにいるという現実は

何と腹立たしいことであろう。

だからこそ、やはり人材の育成なのだと思う。

一つの通達で現場がどういうことになるか

シュミレーション一つできない者が

東大を出て官僚になってしまう恐ろしさを

もっと真剣に考えようではないか。

パズル解きだけがうまくなるような受験勉強をさせることを

もうやめにしなければならないのである。

テストの成績がよいだけの“頭の悪い”役人をこれ以上増やせば、

国民がますます不幸になる。

教育の現場にいるものは、

『本当の学力』とはどういうものであるべきかを

もう一度真剣に考えてほしいと思う。

ココロとアタマのバランスの取れた

本物の人材を多数世に送り出すこと、

時間はかかるが、これが本当の解決策である。