今年最後のブログとなりそうである。

ここ数回、「世のため、人のため」を書きつづけてきたが、

たまたま先日、ある新聞にパニック症から脱出したある女優の記事が載っていた。

パニック症は最近耳にするようになった精神的な病である。

突然不安に襲われ、電車に乗るのが恐いなど

日常生活に支障をきたす。

記事の中に、面白いことが書いてあった。

この女優は病気の時には、突然激しい動悸や呼吸困難に襲われ、

眠れぬ夜が続いたという。

ところが、やがて

「人のために何かをしている時には、発作が出ない」

ということに気付いたというのである。

震災などの募金をしたり、

着なくなった衣類を海外の紛争地へ送ったり、

道に落ちているゴミを拾ってごみ箱へ入れたり、

という行動をしている時には発作が出ないというのである。

ここに何か現代病を解くカギがあるのではないだろうか。

病気は正常な状態を踏み外した状態である。

精神の病気は人間関係がからむ。

社会的な生き物である人間は、

正常な社会関係が保たれてはじめて精神が健康でいられるからである。

現代が多くの精神的な病を抱えているのは

社会が正常でないからである。

自己の利益と保身のみを追求する個人の集まりとなってしまっては

社会が正常に回るはずもない。

ここらで本気で世直しを考える必要がある。

個人レベルでできる「世直し」は

これまで何度も書いてきたように、

「世のため、人のため」を実践していくことだと思うのだが、

いかがだろうか。

先の女優の体験的言葉を噛み締めたいものである。

来年この輪が少しずつ広がっていくことを祈って

今年のブログを終わりにしたい。