情操教育というと何かいかめしい感じもする。
今回の震災では自らの命を顧みず
他人の命を守ろうとして多くの人が亡くなっている。
その一方でこうした被災地の大変な状況を知りつつ
自らの利権の維持に躍起となっているエリート集団がいる。
この違いは何から出てくるのだろうか?
何かこの国のエリート教育に問題があると見たほうが
自然であるような気がする。
今の日本のエリートは試験でよい成績を取ることに
最大のエネルギーを費やしてきた人々である。
人よりも早く文字を覚え、
小学校で塾通いをして算数ができるようにし、
有名進学校に入るや東大目指して勉強する。
一体どこに人間としての情操を育てる時期があったのであろうか?
原発事故を説明する役人や係官の能面のような事務的説明を
おぞましく感じたのは私だけではないであろう。
本当はエリートこそ
人間としての感情を豊かに持たなければならないはずである。
中学校までは人間関係を豊かに持ち
紙の上の勉強はさておき
人の心を分かる感性と
世のため人のための本当の大志を育む学びをこそ
実生活を通してすべきなのである。
そういう教育カリキュラムをこそ
文科省は創りあげるべきであろう。
自分たちの越し方の反省を踏まえてである。
しかし、教育政策を決めていくのがエリートたちであるから
全く以って歯がゆい限りである。