書店の学習参考書コーナーに行くと,

あふれるほどの参考書・問題集が山積みされている.

昔に比べると,内容が随分と親切であり,

手取り足取り教えようとしている.

何か,出版社が親切さを競っている感がある.

親切さの一環なのか,文章は会話調,

もっと言えば,おしゃべり口調であり,

イラストは少女漫画風である.

「あれ,ここは中学受験生のコーナーだったかな?」と,

思わず確認に入ってしまった.

知性を養うとは,大人の認識へ登ることであり,

学力をつけるとは,幼さからの脱却であるはずなのだが,

「三角関数」が解けるようになることだと思っているかのようである.

学力は文字通り「力」なのだから,

力は負荷を掛けなければ強くなるはずがない.

過剰な親切がむしろ学力を低下させることをわかる必要があろう.