大変実力のない生徒がときどきいる。

「なんでこんなにできないかなあ」と嘆息するほど

とにかくできない。

普通ならば、「要は頭が悪い」で終わらせてしまうだろう。

なにしろ、その理解力の悪さ、話の通じなさは大変なもので

正直、講師は膨大なエネルギーを取られて

その時間を他にまわせたらと思うのである。

ただ、よく観察して見ると

こうした生徒の大半は前回述べた第二のギャップの問題なのである。

今まで誰にもその点を矯正されてこなかったのである。

そこを地道に直してやると、

つまり、文字記号をしっかり像として描くことを続けさせると

見違えるほどによくなってくる。

別人のように力をつけ始める生徒が出てくるのである。

ただ、時間はかかる。

大学受験の内容は膨大な量があることと、

これまで約20年間間違った頭の働かせ方をしてきたことによる

その定着力、根の張り具合は相当のものがあるからだ。

十代の子供を扱う大人の責任は重い、とつくづく思う。

まあ、過去を見ても仕方がない。

正しい勉強をGHSの生徒に

全力で教え続けること

それが私の仕事である。