先日新聞で、今年の東大の合格最低点が30点下がったとの報道があった。
英数国の問題が難しくなったことによるとのことだが、30点は相当の数字である。
問題の難化もさることながら、やはり受験生の層も薄くなっているのではないか。
全体的な受験年齢層の減少と定員の不変、
優秀な生徒層が国立大学医学部に流れる傾向、
そして現役合格志向の風潮
が総合的に作用しているようにも思える。
逆に言えば、浪人して頑張れば、一つ上のランクの大学に進学できるチャンスが生まれていることを
示してくれているということでもある。
私の周りにも、一ランク上の世界に入ったことで人生が変わったという人がたくさんいる。
ある人はもともと大学に行く予定がなかったのが、ひょんなことで浪人して大学を目指すことになり、
しかも望外の上位大学に進学して予期せぬ人生を歩んだことを感慨深げに言う。
ある人はとても早慶レベルに行けるとは思っていなかったのが、
その世界に入り、世界が広がったという人がいる。
大学がすべてではなく、偏差値が良ければいいというものではないことは重々承知である。
しかし、やはり周りのレベルが高いということは
そこにまた違った次元の世界を味わえるものであることも事実である。
浪人すれば、そして、良い学習をすれば、
一ランク上の世界に行けるのだから、
人生80年いや90年が当たり前になるこの時代、
何も急いで今の身の丈の大学に進学する必要もないと思うのだが、どうであろうか。