生徒を見ていると感心する。
とにかくよく勉強するのだ。
受験生だから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、
これほど一所懸命勉強する生徒たちを見ていると、
「この子らの将来の人生に幸多かれ!」と心から思う。
それだけに無駄な勉強をさせてはならじ、
実のある勉強をさせることが教師の使命であり責任である。
というのはともすれば解法暗記のむなしい指導をしているケースをよく耳にするからである。
勉強というのは知識(意味のある)を習得するのももちろんだが、
同時にモノの見方、視野の広さ、深い思考を育てていくことでもある。
そこをしっかり分からないと、本人の人生はもとより、
社会全体が衰退しかねない。

中東のエルサルバドルという国の若き大統領が
昨年の9月に、ビットコインを国の法定通貨にすると宣言した。
おそらく大統領はITに詳しく、
その方面の豊かな知識を持っているのであろう。
一番高い時で1ビットコインが6万ドル(当時のレートで700万円弱)を付けたが、
今は2万ドルを上下している。
昨年の9月に比べても半値以下に下落してしまっている。
国家の指導者たるものが
たとえどんなにITの知識や技術に精通しているとしても
そもそも仮想通貨とは何か、法定通貨はどうあるべきか、
もっと言えば、
経済とは何か、国家とは何か等々の本質的な視野と理解が欠けていては
国民をどれほど不幸にしていくかを知るべきであろう。
日本の大学入試も
こういう指導者を生まないような受験制度、試験問題を真剣に考えるべきではないか。