GHS予備校は大学を目指す高校生・浪人生を相手にしているので
在籍する生徒は20歳前後(それなりに幅はあるが)の若者たちである。
この年齢の人間は大人でもあり子供でもある。
身体の方は生物的側面であるからこの年齢であるともうだいぶ大人で、
我々より大きいし、体力はあるし・・・でたくましい。
他方、精神的側面(ココロとアタマ)は経験の要素が大きく絡むので
まだまだであり、これからである。
だから、教えを請いに予備校に通ってきているのだから。
予備校では学力つまりアタマを向上させようとするわけであるが、
そう単純ではない。
それはそう簡単にアタマは向上しないという意味ではなく、
アタマはココロと切り離すことができないという意味においてである。
この年代はココロもまだまだ発達途上であり、
むしろ昔より“幼い”と言ってもよいかもしれない。
だが、残念ながら受験はココロ抜きでは通れないのである。
特に受験が近づき、日も短くなったこの季節は
ココロとの戦いになる。
思ったように成績が伸びない苦しさ
周りの人々より遅れていくように感じる焦り
自分の能力への不信
八つ当たりしたい衝動
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あること、ないこと無限ともいうべき思いがアタマに渦巻く。
ココロがアタマを邪魔するのである。
しかし、実はこれが受験の良さなのだ。
ココロと戦わなければならないという事態は
自分を一段高める絶好の機会が訪れたということなのだから。
この機会を逃す手はない。
受験は人生の予行演習であり
将来のための免疫をため込む場でもあろう。
うごめくココロとどう付き合い、どうなだめ、どう越えていくか
そのノウハウを獲得していくこと
それもまた受験“勉強”なのである。
自力で克服する必要はない。
経験者の知恵をためらうことなくもらうのもいい。
それを実践すればよいであろう。
とにかくあきらめてはならないのである。
やけになってはならないのである。
それは子供に戻ることなのだから。
逆にその戦いに勝利した時、大学合格に加えて
大きな副賞が付いてくることに気づくだろう。
否、
むしろ大学合格の方が副賞であったことに
人生を進み行くにつれて気づいていくことになるだろう。