昨年の出生数が80万人を割り込み
それが当初の予想より10年以上早く訪れたということでニュースとなっている。
少子化は経済成長や社会保障に大きく影響してくることから
政府も最優先の政治課題として取り上げている。
しかし
少子化の一番の問題は
社会全体のエネルギー、バイタリティが下がっていくところにあるように思う。
大学受験の世界で言うと
高校生たちに
自分の夢を明確に持ってあきらめずにどこまでも頑張ろう
というたくましさが無くなっている。
GHSに通うある高校生に聞いたところ
医学部を目指す高校の同級生たちは現役で不合格となれば
再チャレンジせずに医学部以外の合格した大学に進学してしまうという。
これは驚きである。
医学部を目指すという思いはその程度のものなのか・・・。
私の受験時代もそうだが
私が高校の教員をしていた時代も
担任していた54名のクラスの中で現役で進学していったのはわずか9名で
あとはみな浪人していきたい大学・学部を目指した。
それが普通であった。
しかし、これも「今は昔」である。
むろん、「大学にこだわらなくなった」、「趣向が多様化した」
という面もあるだろうが、
それ以上に
十代の一番多感な世代に
自分の実力をやや超えるような、大きな志、野望レベルの“夢”を描くことが無くなってきたように感じられる。
上を目指してこそ人間であり、若者なのに
無理をせずに、ほどほどに・・・が日本の若者の風潮になりつつある。
こうした動きが始まると加速度がつく。
高校生たちは夢を描くよりも、急いで大学に入ることを第一目標にしはじめる。
何かおかしくはないだろうか。
少子化対策にGDP比でいくらの予算を付けるということ以上に
若者がたくましく野心を抱き、
その目標に向かって青春のエネルギーを投じていくという
人間の当たり前が当たり前の風潮として満ちている社会を再建設していくことこそ
すべてが上昇スパイラルへと動き出していく源泉ではないだろうか。
それが若者たちの未知の能力を引き出し、さまざまなアイデアが生まれ
経済成長や、社会問題の解決に至る近道になるはずである。