前回のブログからだいぶ時間が経ってしまった。
速いもので、もう9月である。
まだ30℃を超す日が続いているが
確実に日は短くなり、秋がやってくる。
GHSも新学期が始まった。
皆新たに気合が入った引き締まった顔で後期を始めている。
オリエンテーションで、今年大学に合格した先輩の「合格体験記」を紹介したのも
よい指針になったのではないか。
過去の経験者に学ぶということは人間にとってとても重要であり、
またそれができるのはありがたいことでもある。

6年前に亡くなった私の父が
生きていれば今日が99歳の誕生日である。
関東大震災から今年が百年目ということであるから、
その翌年生まれたのである。
例年は9/1の防災の日一日でテレビ報道も終わりであったが
さすがに今年はちょうど百年ということと
南海トラフを震源とする大地震がいつ起こってもおかしくないという危機感から
しばらく防災に関わるテレビ番組が続いていた。
特にNHKでは百年前にとられた白黒動画に着色して
目の前に火の手が迫り人々が逃げまどう生々しい映像を再現してくれたので
その臨場感はまさに自分事であった。
人間というものは過去に学んできたと同時に
過去を忘れる動物でもある。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を地で行く存在でもある。
かくして「歴史は繰り返す」とも言われる。
とすれば、人間のその現実を直視して
より目的意識的に過去に学べば大きな成果が得られることになる。
関東大震災の現実を目の当たりにして
次の災害にどう備えるか、真剣に取り組む必要がある。

しかし、今の日本の教育は過去に学ぶことを大事にしているであろうか。
「技術立国日本」が過去のものになってしまったその過去の遠因を
学ぼうとしているであろうか。
昭和と平成の成功と失敗、興隆と凋落に
深く学ぼうとしているであろうか。
先のことのみを急いて
金融教育、実用英語、情報教育・・・にばかり走りすぎていないか。
「国家百年の計」を担う教育行政、教育関係者こそ
過去に深く学ぶ必要があるのではないか。